名古屋市の人口と一人暮らしの実態

名古屋市の人口

現役世代でも、生涯未婚率の上昇等に起因し、一人で暮らす人が年々増え続けています。

国立社会保障・人口問題研究所によると、生涯未婚率は、男性で23.4%、女性で14.1%となっており、その数値は年々上昇しており、全世帯の32.6%が単独世帯となっています(名古屋市は44.6%)

名古屋市の人口

名古屋市の人口は約232万人となっており、うち65歳以上の人口は約59万人、75歳以上の人口は約33万人となっています。

そのうち、65歳以上の一人暮らしの人数は約11万人となっています。

つまり、65歳以上の高齢者のうち約5人に1人が一人暮らしをしています。 (名古屋市ホームページ「市政情報」より)

【人口】約232万人
65歳以上人口約59万人
75歳以上人口約33万人
【世帯数】約112万世帯
【一人暮らし世帯】約50万世帯
名古屋市の人口(令和6年7月1日「名古屋市ホームページ「市政情報」より」)

一人暮らしがもたらすリスク

一人暮らしと早期死亡リスクの因果関係

孤独・孤立と死亡率との関係性を調べた調査では、社会的な交流のない人(一人で暮らしている人)は、ある人に比べて早期死亡リスクが50%も高くなる(※1)と言われています。

その他、このようなリスクがあります。

  • 孤独は冠動脈性の心疾患リスクを29%上げ、心臓発作のリスクを32%上昇させる。
  • 孤独な人はそうでない人より、20%早いペースで認知機能が衰える。
  • 孤独度が高い人がアルツハイマーになるリスクは、孤独度が低い人の2.1倍
  • 孤独は、体重減少や運動による血圧低下効果を相殺する負の効果を持つ。
  • 孤独な人は、日常生活、例えば、入浴、着替え、階段の上り下りや歩くことなどにも支障をきたしやすくなる。

※1 アメリカのブリガムヤング大学のジュリアン・ホルトランスタッド教授(心理学)の文献

「孤独」は、まさに「万病のもと」です。気づかぬうちに、多くの人の心と身体をむしばみ、その寿命をすり減らしていきます。
2010年に148の研究ならびに30万人以上のデータを対象とした分析を行い、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」とする結果を発表しました。

そして、孤独のリスクは、
(1)一日タバコ15本吸うことに匹敵
(2)アルコール依存症であることに匹敵
(3)運動をしないことより早期死亡リスクがある
(4)肥満の2倍高い早期死亡リスクがある
と結論づけました。
また、2015年の同教授の別の研究(70の研究、340万人のデータ)では、「社会的孤立」の場合は29%、「孤独」の場合は26%、「一人暮らし」の場合は32%も死ぬ確率が高まるとの結果を導き出しました。

高齢者の一人暮らしのリスク

高齢者の一人暮らしにはこのようなリスクがあります。

  • 身近に相談出来る人がいない為、振込詐欺や悪質な訪問販売等の犯罪などに巻き込まれる
  • 病気の進行に気が付かない
  • 認知症や介護度が進んでいても本人が気付かない
  • 孤独死

高齢者の一人暮らしに生じる問題点

高齢者の一人暮らしでは、身体機能の衰えや気力の低下によって、買い物や調理、掃除等、日常生活を送る上での問題が出てきます。

危惧されるのが、立ち座りの動作や歩行が困難になって介護を必要とする状態になったり、転倒によるケガによって寝たきりの状態になったりすることです。

また、認知症の発症や進行に周囲が気づかないでいるうちに、近隣とトラブルを起こすようになってしまうと、一人暮らしを続けることが難しくなります。

自立した生活を送れる状態であっても、災害時のようないざという時の対処孤独死への不安がつきまといます。

認知症に関しては、現時点での根本的な治療は出来ませんが、進行を穏やかにする対処療法はあります。

しかし、一人暮らしの場合は認知症の発症や進行に周囲が気づきにくく、進行を抑えるための手立てが取られにくいのが問題です。

認知症の進行によって、ゴミ出しなどのルールが守れなかったり、状況を正しく認識出来ず大声を出したりするなどして、近隣とトラブルになる恐れがあります。

その結果、賃貸物件の退去を迫られたり、あるいは犯罪に巻き込まれたりすることも危惧されることです。